願いが強く込められている験を担ぐという言葉

このことは、多くの一流スポーツ選手が験を担ぐを活用していることからも、見てとれます。
スポーツ選手の多くは、験を担ぐが、心理に作用する働きの大きさを本能的に知っているのです。
つまり、験を担ぐというのは、意識的に信じている行動をすることにより、無意識の心理に有効に働きかけることができるからです。
そうした所作をしなくてもバットを振ることはできるのに、敢えて験を担ぐとして、その所作をするのは、心理的効果を知っているからです。

験を担ぐをすることでスポーツ選手は、良い心理的影響を受けながら、試合に臨んでいるのです。
試験当日になってからの験を担ぐというのは、本来、あまり意味がなく、その人に与える心理作用はあまり期待できません。
心理に作用するような験を担ぐというのは、一流スポーツ選手のような習慣的なものから生まれるものと言っていいでしょう。
例えば、イチローは、同じ所作をしてから バットを振りますが、これも験を担ぐの１つで、この所作こそが彼の心理状態を良くしているのです。
心理に働くような験を担ぐで大切なことは、一定の行動をすれば、気分が落ち着くというもので、そのことが心から信じられることにあります。
基本的に験を担ぐをする背景にあるのは、これまで良い結果が出たケースとまったく同じことをすることで、また良い結果を期待するというものです。
つまり、再び同じようにすることで、良いものになるだろうと期待する心理が、験を担ぐには託されているのです。
そう考えると、なんとなく験を担ぐは儀式的な感じを受けますが、良い結果が続くことで、人間の心理に働く力はより強大になっていきます。
もっとも、験を担ぐで悪い結果が出てしまうと、大きなプレッシャーが心理として働くでしょう。
多くの一流選手は、イチローのように験を担ぐをしていて、ゴルフやサッカーの選手などもそれをすることで、心理効果を実感しています。