願いが強く込められている験を担ぐという言葉

言葉は意志であり、霊的な力をもった意志は、現実を変えていくという力があり、そのメッセージが験を担ぐには込められているのです。験を担ぐというのは、ほとんどの人が持っているのでは、というくらいに１つの儀式のように定着しています。
つまり、言霊思想というものが験を担ぐにはあり、それは、声に出した言葉には霊的な力があるというものです。
逆さ言葉が流行ったことで、縁起をぎえんと呼ぶようになり、そこからそれが、げんに変化して、験を担ぐとなったというのが、真の由来です。

験を担ぐの語源の由来は、縁起を担ぐ、ということからきていて、そう考えると、意味も理解しやすいです。
しかし、逆さ言葉で、えんぎが、ぎえんになり、そこから変化して、げんになって、験を担ぐという由来は、実に滑稽です。
また、験には仏教の修行を積んだ効果という意味合いも含まれていて、験を担ぐには、仏教的な由来も関与しているとする説もあります。
験には仏道の修行を積んだ成果などの意もあるので、験を担ぐの由来には、効果、効能の意味合いも含まれています。
験を担ぐは、仏教的由来も関与していて、善行を積むことで、良い結果がついてくるということも示唆しています。
しかし、今の験を担ぐは、そうした由来は無視されている感もあり、単なる語呂合わせ的なもので、良い結果を期待するというものに変化してきています。
前に良い結果が出た時の行為と同じことをすることで、また、良い結果を望むというのが、今の験を担ぐであり、本来の由来からは、逸脱した感がなきにしもあらずです。

験を担ぐというのは、単なるダジャレと称する人もいますが、それほど安易なものではありません。
もちろん、験を担ぐは、単なる言葉遊びと理解することもできなくはないですが、発展してきた由来や背景をみると、きちんとした思想的裏付けがあります。
験を担ぐというのは、単なるダジャレではなく、その由来を背景として、そこには思想が根強く残っているのです。