退職推奨とリストラとの違いとは

退職推奨問題は、自動車メーカーを筆頭に、各業界がより良き案を探っていることだろう。
自動車メーカーの工場がある町では、すでに減産や派遣従業員の契約打ち切りが始まっており、退職推奨が現実のものとして打ち出されている。
アメリカに端を発する経済悪化が原因で 、好調を維持してきた自動車業界でさえも、ここにきて影を落としてきて、多大な損失を与えている。
全自動車メーカーが軒並み減収、減産の憂き目をみている現状では、何らかの退職推奨の案を出して手を打たなければならない。
輸出に頼る企業の下請けや孫請けの業者を含めれば、影響を受ける人は相当数に上り、彼らのためにも早急な退職推奨が望まれる。
そう言った意味で、自動車メーカーの責任は大きく、退職推奨の成否は日本の行方をも左右しかねない。
傘下には、家族を養わなければならない多くの従業員がいるので、待ったなしの退職推奨が必要だろう。
企業のトップが退職推奨にあたり、忘れてはならないのが消費者と従業員なのは言うまでもない。
もはや役員以下、全従業員が退職推奨の先頭に立ち、戦っていく場面に来たのである。
「ハード」と「 ソフト」両面の退職推奨が同時進行して初めて、結果が出ると思うが如何だろうか。
日本のお家芸である「カイゼン（改善）」という言葉が、今は皮肉にも退職推奨と言う形で迫られている。　　
各地にあるいわゆる「城下町」では、誘致した企業や工場が、財政的にもその町を支えているのが現状で、税金関係や商業関係にも影響を与えるので、退職推奨は死活問題と言えるだろう。